思考だだ漏れ読書録

とあるブログ書きの読書記録。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです/村上春樹

 1997年から2011年までのものをまとめた、村上春樹初のインタビュー本。


 村上春樹の主張は、どのインタビューを読んでも一貫している。作家にとって健康な肉体は不可欠であるとか、人々の無意識は深い部分でつながっているだとか。そのへんは『走ることについて語るときに僕の語ること』とも共通している。
走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること


 それにしても、村上春樹のストイックな生活習慣にはいつも感心させられる。朝早く起きて小説を書き、午後はランニングや水泳で体を鍛える。特に長編小説を書いている期間は、そのパターンを堅持し続けるのである。公務員どころではない勤勉さだ。
 この本を読んだおかげで、数ヶ月サボっていた筋トレを再開しようと決意した。思わぬ効果である。
 村上春樹作品のよいところの一つは、孤独と真摯に向き合っているところである。である、と断言してしまいたい。
 そんな作品を生み出している村上春樹本人も、己の心の「地下」に潜って日々孤独に小説を書いている。そして小説を書く以外の時間は、本人曰く「普通に」暮らしている。
 このあたりの自己演出が上手いな、と思わないでもないし、このへんが気に食わないので村上春樹を読まないという人もいるかもしれない。
 しかし誰が何を言おうと、村上春樹は黙々と職人のように小説を書き続けるだろう。そのこと自体が僕は好ましく感じるし、そのことに対して他人が文句を言う必要は無い。