rhの読書録

とあるブログ書きの読書記録。

東京百景 / 又吉直樹

東京百景 (ヨシモトブックス)

東京百景 (ヨシモトブックス)

 お笑い芸人、又吉直樹が、東京の様々な場所と、そこにまつわる思い出を綴った本。

 本屋で手にとって読んでみたところ、くるりの「東京」について書かれていたので、思わず即買い。

 普通、お笑い芸人が書いた本というと、奇をてらったり、意表を突こうとしていたりしているものが多い。

 でもこの本は全然そんなことはなく、むしろ肩の力が抜けている。抜けすぎているといった方がいいかもしれない。超スローカーブみたいな文章。でもそれが読んでいて気持ちいい。

 ごく短い文章が百編続くが、書かれた順に並んでいるらしく、偉そうな言い方かもしれないが、後半にゆくにつれてだんだん良くなっていると感じた。

 最近彼が書いた小説が雑誌「文學界」に掲載されたらしい。ちょっと読んでみようと思ったが、どの本屋にも文學界が置いていない。どうやら売り切れ続出で増刷が決まったらしい。

 いったいどんな小説になっているだろうか。読むのが楽しみである。