rhの読書録

とあるブログ書きの読書記録。

鈴虫炒飯(新・四字熟語) / 又吉直樹 田中象雨

鈴虫炒飯

鈴虫炒飯

 お笑い芸人の又吉直樹が新たに考案した創作四字熟語を、書道家田中象雨が書き起こした、という本。

 つい最近「新・四字熟語」と改題されて文庫化されたのだが、書を楽しむためにはデカイほうがいいだろうと思って単行本版を手に取った。

新・四字熟語 (幻冬舎よしもと文庫)

新・四字熟語 (幻冬舎よしもと文庫)

 「神様嘔吐」「馬面猫舌」「夕焼左折」など、登場する四字熟語は一見ヘンテコなものばかり。しかしそれぞれの四字熟語に又吉直樹による短文が寄せられており、いずれもが高度なナンセンスギャグだったり、「あるある」だったり、中には詩情を感じさせるものもあったりして、いちいち楽しく、ページをめくる手が止まらなくなる。

 実を言うと自分は今まで「書道家ってなにがすごいんだろうな」と漠然と思っていたのだが、本書に書かれた田中象雨による書を見ると、「こんなに上手にいろいろな書体で書けるなんて、やっぱりプロってスゴイ」と思わされた。薄っぺらい感想で申し訳ないが、事実なんだからしょうがない。

 一気に読んでもいい読後感を得られるし、気が向いた時に適当なページを読むだけでも楽しい。ナイスな一冊である。