- 作者: 奥泉光,渡部直己,いとうせいこう
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/07/05
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
ブックオフで105円にて購入。こんな面白い本が。しかも、タレント本のコーナーに置いてあった。まったく。あのいとうせいこうと、芥川賞作家の奥泉光(僕は読んだこと無いけど)の共著である。それがタレント本とは何ごとか!!まぁブックオフに怒ってもしゃーない。
内容は難解だけど、語り口が平易でわかりやすい。随所に差し込まれるユーモア。保育園のくだりは爆笑である。
全体のテーマは「テクスト論」であるとでも言えるだろうか。
作者がテクストを書き、読者が読む、その体験が「小説」であるということ。「作品=作者」というナイーヴな小説観が依然としてまかり通っているということ。テクストは、常に作者の意図を逸脱するということ。小説のなかの「私」は、テクストの中で構造として立ち上がってくるということ。などなど。
小説を娯楽として・単なる作り話として・自分の現実と関係ないものとして読むのに飽き飽きした人、もっと多様な読みを求める人にオススメの一冊。かも。