- 作者: 内田樹,高橋源一郎
- 出版社/メーカー: ロッキングオン
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
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内田樹と高橋源一郎の対談本と思って読み始めたこの本。読み進めてみると、どうやら「政治談義」がテーマであるらしい。渋谷陽一が主宰する雑誌「SIGHT」で行われた対談を採録し、単行本のために新たな対談を一本加えたこの本。著者は「内田樹・高橋源一郎」の二人になっているが、実質的にはインタビュアーの渋谷陽一が参加した、三人による対談本になっている。
そもそも「SIGHT」という雑誌がインタビューを中心にしているという点で画期的な総合誌を目指しているらしい。そして「SIGHT」の目玉とも言える「内田樹×高橋源一郎」対談の目的は「政治をコロキアル(口語的)に語ること」であるという。「日本には政治を語る言葉がない。だから俺たちが作ってやろう(大意)」ということらしい。
口語的というだけあって、いきなり「首相・姜尚中、外務大臣・ゴルバチョフ、官房長官・ビル=クリントン」構想をブチ上げるなど、「ウチダ先生トバしすぎでは…?」と思わないでもない部分もあるが、要はそれくらい自由に語るべしということだろう。逆に、「政治をふざけて語るなど言語道断だ!」と青筋立てて怒るような人は、この本を読まない方が賢明である。
そのような性質のため、「政治について知りたい」という人にはあまりオススメ出来ない本ではあるが、「政治について考えたい」とか、「政治って面白い」というような興味を持つためにはなかなかいい本だと思う。