- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: 文庫
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村上春樹の小説を全部読もう!と思い立ち、最初に取り掛かった『村上春樹全作品 1979〜1989』の第一巻を読み終えたのが2010年9月18日。つまり風の歌を聴けを最初に読んだのもおそらくこの頃。そして2年ほど経った今日、再読完了。
最初に気づいたのが、全然内容覚えてねぇ、ということ。確か時系列が行ったり来たりする小説だったな…?程度のことしか覚えておらず、「こんなエピソードあったか…?」と思うこと多数。よく言えば、再読してよかったとも言える。
「デビュー作にはその小説家の全部が入っている」というようなことをよく言うが、村上春樹もその例外ではないと思う。井戸の件とか特に。
風の歌を聴けと、続編である1973年のピンボールは、英訳が一般に出まわっておらず、アメリカなどでは入手困難らしい。理由は作者自身がこれらを未熟な小説だと考えているからだ、とどこかで読んだ。
村上春樹が影響を受けていると思われる小説の中で、僕が読んだことのある『グレート・ギャツビー』や『スローターハウス5』と比べてみても、その影響がはっきり出過ぎているんじゃないかと思う部分が多い。もちろん、「アメリカ小説リスペクトしてるのが丸出しだからアメリカでは出版しません」というような単純な話ではないとは思う。
小説としては荒削りなのかもしれないが、作品の空気感は『羊をめぐる冒険』や『ノルウェイの森』に通じる部分があって良いし、読んでいて「これが後の作品のアレに繋がるんだなぁ」と何となく感じる部分があったのも面白かった。
『1Q84』で村上春樹を読み始めた人や、これから読み始めようと思う人は、発表順に遡っていって最後にこの風の歌を聴けに戻ってくる、というような順序で読むといいんじゃないか、ということを何となく思った。最初にコレ読んでもいいとは思うけど。