- 作者: 高橋源一郎,山田詠美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/06
- メディア: 単行本
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図書館で『官能小説家』を借りるために本棚から取ろうとしたら、隣にあったでついでに借りた本。予想以上に面白かった。
「いい作家は顰蹙を買ってナンボ」というのがテーマの対談集。高橋源一郎と山田詠美の二人の対談から始まり、島田雅彦、中原昌也、車谷長吉、古井由吉、瀬戸内寂聴を各回のゲストとして迎えている。
内輪の暴露話的な面もあるので、ある程度現在の純文学方面のについて知識がないと面白くないかもしれない。また、そういったゴシップ的な話を聞いた時に特有の、後ろ暗い愉悦、みたいな読後感がある。そんな読書もアリかな、と思う。
色々面白い部分はあったのだが、特に中原昌也との対談は、久しぶりに活字を読んで爆笑してしまった。あまりにネガティブ過ぎて。
以前とあるラジオで筒井康隆が「現代の作家で文士と呼べるような人は?」と聴かれて「町田康と中原昌也」と答えていたが、本書の中でも高橋源一郎が中原昌也を「一番文士らしい」と評している。よっぽど業界内の評価が高いらしい。今度ちゃんと読んでみよう。
車谷長吉の小説を今まで読んだことが無く、どんな人物かも知らなかったのだが、いかにも私小説家然としているようで、とらえどころのない人だな、という印象を受けた。