たまに哲学の本を読むが別に哲学に詳しいわけじゃない。
自発的に哲学の勉強をしているわけではないし、まして研究などというものとは無縁なので、一向に知識が深まることがない。今日も一般向けの哲学の入門を読んで、ああ面白いなと思ってそれで終わり。
そんなんでいいのか、と思う反面、うっかりなにかの研究にハマりすぎて不幸になる人もいるという話を聞くので、その程度の場所でとどまっているのがちょうどいいのかもしれない。
人は考えようとして考えるわけではない。何かを考えざるをえないような事態が起こった時に、初めて考え始めるのだ。
というようなことが今日読んだ本には書かれていた。
今まで10年くらいブログを書いてきたが、「書こうと思って書いた」という感覚はあまり無く、むしろ「書かなきゃいけないことが湧いてきてそれを書き留めるのに必死だった」という感覚で書いたものの方が、自分から見てクオリティが高かったと感じる。
別に、書きたいことが湯水のように湧いてきて困る、という話でない。
なんというか言葉にするのが難しいのだけれど、このことは自分が書くしかない、書かざるを得ない、という感覚になった時が、一番最も良く書ける。
しかしそんなことは滅多に無く、普段は「ブログ書きたいけど書くことがないなぁ」という気分で過ごしている時間の方が圧倒的に長い。でもなにか書きたいので意識上に登っているテーマをなんとかひねり出す。だからそんなに満足が得られない。
今やっていることがスムーズに行っているときほど、むしろ書くことが無く、逆になにか問題が発生したときのほうがそれをネタにして書きやすかったりする、というのも困りもの。なので「こうすればブログを書ける」というセオリーが未だに見つけられずにいる。
そんなことを考えていた時にこの本と出会った。書きたいから書くのではない、という自分の感覚は多分それなりに正しいのだろう。そのことを認識できてよかった。だから哲学の本を読むのは面白い。