ジョジョファンとして存在は知っていたが、なんとなくスルーしていた本作。最近読書欲が高いのでこの機会に読んでみることに。
まず文章が読みやすい。あとキャラクターの名前がなんか覚えやすい。マッシモ・ヴォルペ。ヴラディーミル・コカキ。
テーマや、作品としてのノリをジョジョ5部から引き継いでいる。原作オマージュ表現もそれなりに入っている。簡単なようでなかなかできることではない。
当初は裏切り者として設定されていたが、諸事情を考慮してチーム離脱という扱いになったフーゴというキャラクター。
ある意味で「週刊連載のライブ感」の犠牲になったキャラとも言えるが、彼を救済する物語として、一歩踏み出せなかった男フーゴが、一歩踏み出すまでの話として、キレイに「ケリ」がついている。素晴らしい。
ただ、こうして小説という形で「ジョジョ」を読むと「こいつらやってることは裏社会の殺し合いだよな」と冷静に俯瞰してしまう自分もいる。それを感じさせない漫画ジョジョの絵力も改めてスゴいんだなと再認識した。
なお著者は最近出たジョジョ4部スピンオフ『クレイジーDの悪霊的失恋』の原作小説も書いている。あちらもある登場人物の「ケリ」をつける話でかなりよかった。