2024-01-01から1年間の記事一覧
ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック (村上春樹翻訳ライブラリー f- 3)作者:村上 春樹中央公論新社Amazon スコット・フィッツジェラルドという100年前の小説家と、今の自分には、全然関係が無い。大人になった今の視点に立ってみると。 村上春樹は偉大…
カミュ伝(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)作者:中条省平集英社Amazon 昔、カミュの『異邦人』を読んだ。深い感銘を覚えた記憶がある。 主人公のムルソーは、世間の常識、世界のルールに従うよりも、己の内側から湧き上がってくる観念…
フィールド言語学者、巣ごもる。作者:吉岡 乾創元社Amazon 雑誌『群像』で連載中の「ゲは言語学のゲ」を読み、この方が書いた本を読んでみたいなぁ、と思った。そして読んだ。 読んでみたら、やはり連載と同様に面白く、読んでよかったなぁとしみじみと感じ…
君のクイズ作者:小川 哲朝日新聞出版Amazon 「格闘ゲームは人生である」と本気で考えている。格闘ゲームとは『ストリートファイター』のような、1対1で殴り合うアクションゲームの総称だ。 それは決して「自分にとって格闘ゲームは人生そのものだ」というよ…
星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫)作者:ジェイムズ・P・ホーガン東京創元社Amazon とにかく人気の高いSF小説、との評判を聞き、いずれ読みたいと思っていた作品。 一度は図書館で借りもしたのだが、生活タイミングと合わず読み切ることができ…
最近、世界史の勉強をしている。世界史のことを知らなさすぎるせいで、小説や映画やドラマやマンガを十分に味わえない、と感じたから。 それは以前から感じていたことではあったのだけれど、具体的なキッカケは『供述によるとペレイラは……』という小説を読ん…
箱男(新潮文庫)作者:安部公房新潮社Amazon 映画が公開されたらしいと聞き、いい機会なので『箱男』の原作小説を再読。 ダンボールを頭から被ったアイコニックなイメージとは裏腹に、ストーリーは複雑怪奇。今まで何度か読んでいるが、どうしても話の筋が頭…
トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー作者:ガブリエル ゼヴィン早川書房Amazon ゲームを取り扱った小説であり、あの『メタルギアソリッド』の小島秀夫監督が帯分を書いている、ということで「いつか読むリスト」に加えていた本。 主人公のサ…
熟達論―人はいつまでも学び、成長できる―作者:為末大新潮社Amazon オリンピック陸上競技メダリストの為末大による、熟達についての本。著者の本を読むのは初めて。 どうすれば上手くなれるか。どうすれば技術を高められるか。多くの人が関心を寄せる課題だろ…
鍵のかかった部屋 (白水Uブックス 98 海外小説の誘惑)作者:ポール・オースター白水社Amazon ポール・オースターによる「ニューヨーク三部作」の3作目。 若手評論家の主人公は、幼馴染のファンショーが、ある日突然、大量の小説、詩、戯曲などを書き残して失…
わたしは孤独な星のように作者:池澤 春菜早川書房Amazon 声優で文筆家の池澤春菜の、初の短編SF小説集。 自分が子供の頃から、アニメキャラの声としてその声を聞いていた、あの池澤春菜が文筆活動をしている、という情報はラジオ『アフター6ジャンクション』…
街とその不確かな壁作者:村上春樹新潮社Amazon とにかく本作を読んでみて欲しい。読んで、自分で判断してみて欲しい。あらゆることを。 いや、そんなことを言っていたら本の感想を書くという行為が成り立たないのはわかっている。別に成り立たなくてもいい気…
kuragebunch.com 小島アジコ『電気羊と夏の海で』を読んだ。Web漫画の1話について感想を書くのは初めてなのだけれど、自分の中に得体の知れない「感想書きたい欲」が湧いてきたのでちょっと書いてみることにする。 祖父の遺言に従い、彼が住んでいた家にいく…
芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか (幻冬舎新書)作者:市川真人幻冬舎Amazon 前回、佐々木敦『成熟の喪失』を読み、江藤淳の「成熟論」と村上春樹作品との関係を知りたくなった。rhbiyori.hatenablog.jp ググって出てきた本書がそれに役立ちそうだっ…
成熟の喪失 庵野秀明と〝父〟の崩壊 (朝日新書)作者:佐々木 敦朝日新聞出版Amazon 『新世紀エヴァンゲリオン』や『シン』シリーズなどの庵野秀明作品と、江藤淳『成熟と喪失 “母”の崩壊』を通して、「成熟」を論じる本。 そもそも自分は庵野秀明作品があまり…
一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書)作者:高橋 源一郎朝日新聞出版Amazon 鎌倉時代頃に活動し浄土真宗の開祖となった親鸞。その親鸞の言葉を伝えるべく弟子の唯円によって書かれたのが『歎異抄』。親鸞の説とは「異なる」説が世に出回っていることを…
読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)作者:ピエール・バイヤール,大浦康介筑摩書房Amazon 千葉雅也『現代思想入門』で紹介されていたので手に取った本。 rhbiyori.hatenablog.jp 読んでいるうちに思い出したが読書コメディマンガ『バーナ…
[asin:B00FIWY5TM:detail] 先日『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』を(意図せず)再読して、そこで紹介された中で一番観たいと思った映画が本作だった。Amazonビデオでちょうどよく100円セールだったので観ることにした。rhbiyori.hatenablog.jp 原…
竹取物語 (角川文庫)KADOKAWAAmazon 中学生くらいの時にハマって文庫本を揃えてたけど、最近はめっきり読まなくなっていた星新一を、久しぶりに読んでみたくなって手に取った一冊。竹取物語の翻訳。 あれからX年が経ち、改めて星新一の文章を読むと、本当に…
屍者の帝国 (河出文庫 え 7-1)作者:伊藤 計劃,円城 塔河出書房新社Amazon 多くのゲーマーと同じように、自分が伊藤計劃を知ったのは『メタルギアソリッド4』のノベライズからだった。メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)作者:伊藤 …
ライムスター宇多丸の映画カウンセリング(新潮文庫)作者:宇多丸新潮社Amazon ラップグループ『RHYMESTER』のメンバーで、ラジオパーソナリティとしても活動し、番組内で毎週映画評論をしている宇多丸氏が、雑誌読者からの悩みに答えつつ、その人にオススメ…
供述によるとペレイラは… (白水Uブックス 134 海外小説の誘惑)作者:アントニオ タブッキ白水社Amazon イタリアの作家アントニオ・タブッキの小説。佐々木敦氏が著書の中で本作を激賞していたので読むことにした。本作はタブッキの代表作で、映画化もされてい…
目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)作者:國分功一郎新潮社Amazon 國分功一郎による、コロナ禍を踏まえた講話録であり、哲学的論考。「目的」についての論考である。 目的とは何か? 例えばご飯を食べるという行為。これは手段である。そしてその「…
現代思想入門 (講談社現代新書)作者:千葉雅也講談社Amazon 哲学者の千葉雅也氏による、現代思想の入門書。 まずデリダ、ドゥルーズ、フーコーらのフランス現代思想家を紹介。 その源流としてニーチェ、フロイト、マルクスの思想を遡って紹介。 さらに現代思…
マイ・ロスト・シティ- (村上春樹翻訳ライブラリー f- 1)作者:フランシス・スコット フィッツジェラルド中央公論新社Amazon フィッツジェラルドの短編、エッセイをまとめた本。村上春樹の初めての翻訳本として1981年に出版され、2006年に村上春樹ライブラリ…
入門 山頭火作者:町田康春陽堂書店Amazon 自由律俳句の俳人である種田山頭火の来歴を、小説家の町田康が、評伝や日記、そして句を読みながら辿る本。 山頭火のことがわからない。もちろん自由律俳句もわからない。そんな自分が、この本を読んで、その2つへの…
スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック作者:伏見瞬イースト・プレスAmazon 人気ロックバンドのスピッツについて論じた1冊。自分は人生の一時期、スピッツ以外聴かない、くらいの勢いで聴き込んでいたので、読んでみることにした。 優れた聴き手であり…
松本隆 言葉の教室作者:延江 浩マガジンハウスAmazon 本屋で『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』という本を見つけ、「そういえば松本隆の本って読んだこと無いな」と手に取って目を通したら心に残るものがあり、もうちょっと厚い本にしよう、と思って読み…
世界を物語として生きるために作者:さやわか青土社Amazon ライターで批評家のさやわか氏による批評集。 読み始めるまで気づかなかったが、表題の「世界を物語として生きるために」は、初出であるユリイカ2009年4月号を所有していたので、再読となった。 思え…
ギター上達のための全知識 (全知識シリーズ)作者:養父 貴リットーミュージックAmazon 今年に入ったあたりから、ギターを弾いている。主にソロギター。 十数年前に買って自宅でぼちぼち弾いていたアコギ。コードを弾くだけでそれなりに満足して、最近はすっか…