読書メモ
リチャード・ブローティガン (ちくま文庫ふ-54-3)作者:藤本 和子筑摩書房Amazon ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を手に取ったときのことはなんとなく覚えている。10年くらい前だろうか。ブックオフでページを開いて、「なんだかわからないけどスゴく読…
「書くこと」の哲学 ことばの再履修 (講談社現代新書)作者:佐々木敦講談社Amazon どんなことを書いてもいい。どんなやりかたで書いてもいい。そんなメッセージが本書全体からうかがえる。 「そんなこと言われても、どんな風に書いたらいいかわからないよ」と…
ゲーム作家 小島秀夫論: エスピオナージ・オペラ作者:藤田 直哉作品社Amazon 小島秀夫が作るゲームが好きだ。 家族がプレイするゲームを見ることが多かった頃。メタルギアソリッド(MGS)1と2を見て「なんだか大人のゲームだな」と思った。自分でプレイする…
人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)作者:千野帽子筑摩書房Amazon 色々な書き手たちが推薦図書に挙げていた本。長らく気になっていたのをようやく読むことができた。 人は物語の中を生きている。生きずにはいられない。自分や他人の人生を物語化…
チャンドラー講義作者:諏訪部浩一講談社Amazon 雑誌「群像」での連載を何度か読んで、読みたいと思っていた本。 自分がレイモンド・チャンドラーを知ったのはいつだろう。おそらく時系列的には『名探偵コナン』の単行本カバー折り返し部分に毎巻書かれている…
誰でも簡単! 世界一の4:6メソッドでハマる 美味しいコーヒー 自由時間サプリ作者:粕谷 哲技術評論社Amazon 去年くらいから、コーヒー豆をミルで挽いてペーパードリップで飲むようになった。というとめっちゃコーヒーにこだわりがある人みたいだけど、別に…
苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室作者:読書猿NHK出版Amazon 読書家として、ブログや学習法にまつわる本を執筆してきた「読書猿」氏による、「本との付き合いかた」「本との出会い方」ついての本。 readingmonkey.blog.fc2.com 同じ著者による、…
手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)作者:國分功一郎新潮社Amazon 哲学の本。ではあるけれど、決して難解ではない。難しい話も、何度も違う言い方で噛み砕いて説明してくれている。 第1章が論文で、第2章がその論文を元に構成された講話を採録した…
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)作者:ウィリアム ギブスン早川書房Amazon 「サイバーパンク」というSFジャンルの最初期の名作。映画『マトリックス』(観た)やアニメ『攻殻機動隊』(未見)、最近ではゲーム『サイバーパンク2077』(プレイ動画をちょっ…
外套・鼻 (岩波文庫 赤 605-3)作者:ゴーゴリ岩波書店Amazon ゴーゴリ、と聞くと何を思い浮かべるだろう。正直に言うと自分は、絵本作家の「エドワード・ゴーリー」とやや「ごっちゃ」になっていた。そちらは20世紀アメリカの絵本作家、対してゴーゴリは19世…
本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)作者:村上 春樹,柴田 元幸新潮社Amazon 村上春樹と柴田元幸の両名による、小説の翻訳にまつわる対談を主としてまとめた本。ちなみに過去には同様の対談本として『翻訳夜話』シリーズが出ている。翻訳夜話 (文春新書…
センスの哲学 (文春e-book)作者:千葉 雅也文藝春秋Amazon 「センスがいい」というのは、ちょっとドキッとする言い方だと思うんです。なにか自分の体質を言われてるみたいな、努力ではどうにもできないという感じがしないでしょうか。(千葉雅也『センスの哲…
思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた作者:ネモ(根本直樹)日経BPAmazon 格闘ゲーム好きで読書好きな自分としては、プロ格闘ゲーマーが書いた本を見かけると反射的に手にとって読んでしまう。これまでもウメハラ選手やときど選手の本を読んできた…
アップダイクと私 ---アップダイク・エッセイ傑作選作者:ジョン・アップダイク河出書房新社Amazon アップダイクって、名前は知ってるけど読んだことないな、と思って開いてみたら、「女体」というエッセイがメチャよかったので、読み始めた。 女性の身体は、…
イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか (シリーズケアをひらく)作者:斎藤 環医学書院Amazon 「オープンダイアローグ」という精神療法について書かれた本。 オープンダイアローグとは、精神疾患を発症した患者の元に、医療スタッフ、患者の関係…
きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする作者:ジャミル・ジャン・コチャイ河出書房新社Amazon タイトルに「メタルギア」という文字列が。これは読むしかない。と思って軽々しく手に取ったが、読むのにえらく苦労した。 著者はアフガニスタン…
みどりいせき (集英社文芸単行本)作者:大田ステファニー歓人集英社Amazon かつて、お笑い芸人のケンドーコバヤシ氏が、大阪から上京しようとしている後輩芸人に対してよく使う「くだり」があった。 「東京に来てもいいもんなんてない。東京にあるのはたった3…
隻眼の少女作者:麻耶 雄嵩文藝春秋Amazon 本書のことは、文庫版が本屋に並び始めた十数年前から気になっていた。 なぜか。カバー写真の女の子が可愛かったからである。純粋に、100%、それだけの理由で、本書の存在を個別認識していた。 しかし本作はミステ…
僕にはわからない (講談社文庫 な 41-17)作者:中島 らも講談社Amazon 「天文学によると、宇宙は膨張しているらしいが、その外側がどうなっているのか知りたい」という新聞の投書を読んで、著者は気づく。 偉い学者に「宇宙は膨張している」と言われれば、な…
家族八景(新潮文庫) 七瀬シリーズ作者:筒井康隆新潮社Amazon 筒井康隆の小説は、読むとシンプルに心がしんどくなることがあり、本書『家族八景』も、2章にあたる「澱の呪縛」を読んだところで一度読むのをストップしていた。読んだ人なら「ああ、アレね」…
俺の文章修行 (幻冬舎単行本)作者:町田康幻冬舎Amazon 自分はかつて、町田康の文章を読むことで「開眼」したところがある人間である。読んだり書いたりすることって面白くていいんだ、こんなに自由に、やりたいように書いていいんだ、考えたいように考えてい…
禅マインド ビギナーズ・マインド (サンガ新書) (サンガ新書 55)作者:鈴木俊隆サンガAmazon 禅ってなんだろう。気になる。でも難しい専門書は難しくて読めない。そんな気分で探して見つけた本。 1960年代にアメリカにわたり曹洞宗を布教した鈴木俊隆。その講…
ハックルベリー・フィンの冒けん作者:マーク・トウェイン研究社Amazon アメリカ文学史に名を残す作品、ということで、前作『トム・ソーヤーの冒険』から続けて読むことに挑戦。柴田元幸の翻訳で読める幸せ。rhbiyori.hatenablog.jp 古いアメリカの文化が登場…
禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄 (中公新書)作者:藤田一照,伊藤比呂美中央公論新社Amazon 昔から、なんとなくいいなぁと思っているものが2つある。坐禅と合気道の2つ。 しかしとにかく人と関わりたくない自分なので、実際にそれらをやってみたことはなく、…
トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)作者:マーク トウェイン新潮社Amazon 本作『トム・ソーヤーの冒険』に対しては、2つのイメージが自分の中にあった。 古典児童文学の名作としての『トム・ソーヤー』。アニメや絵本にもなっているが、自分は一度も見たり読ん…
工場(新潮文庫)作者:小山田浩子新潮社Amazon そういえばこんな小説があったな、と思って、手に取った。2010年の発表当時、表題作の『工場』はちょっとした話題になったと記憶している。不思議な動物が出てくる工場の話として。 読み始めてすぐは、正直言っ…
ゴドーを待ちながら (ベスト・オブ・ベケット)作者:サミュエル ベケット白水社Amazon なにかと引用や言及が多い作品なので、読んでみることに。 戯曲をちゃんと読むのは初めてだった。以前、何度かシェイクスピアの戯曲を読もうとしたこともあったけれど、全…
国のない男 (中公文庫 ウ 8-1)作者:カート・ヴォネガット中央公論新社Amazon 日本では2007年に出版された、カート・ヴォネガット最後の著作となったエッセイ。 なにが好きで、なにが嫌いかを、ヴォネガットはフランクかつ直裁に語る。こんなふうに怖いもの知…
<責任>の生成ー中動態と当事者研究作者:國分功一郎,熊谷晋一郎新曜社Amazon なぜ、ある人の行動に対して「責任」を問うことができるのか? 罪を罰したり、反対に免罪したりすることができるのか? それはその人が、その行動を自らの「意志」で選んだから。 …
カミュ伝(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)作者:中条省平集英社Amazon 昔、カミュの『異邦人』を読んだ。深い感銘を覚えた記憶がある。 主人公のムルソーは、世間の常識、世界のルールに従うよりも、己の内側から湧き上がってくる観念…