rhの読書録

とあるブログ書きの読書記録。

世界を物語として生きるために / さやわか

世界を物語として生きるために作者:さやわか青土社Amazon ライターで批評家のさやわか氏による批評集。 読み始めるまで気づかなかったが、表題の「世界を物語として生きるために」は、初出であるユリイカ2009年4月号を所有していたので、再読となった。 思え…

ギター上達のための全知識 / 養父貴

ギター上達のための全知識 (全知識シリーズ)作者:養父 貴リットーミュージックAmazon 今年に入ったあたりから、ギターを弾いている。主にソロギター。 十数年前に買って自宅でぼちぼち弾いていたアコギ。コードを弾くだけでそれなりに満足して、最近はすっか…

国語辞典を食べ歩く / サンキュータツオ

国語辞典を食べ歩く作者:サンキュータツオ女子栄養大学出版部Amazon 国語辞典に収録された「食」にまつわる言葉を、「小型国語辞典ビッグ4」である岩波、三省堂、新明解、明鏡を中心に、さまざまな辞典を比較しながら紹介していく本。 お笑い芸人であり大学…

なんとなく、クリスタル / 田中康夫

新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)作者:田中 康夫河出書房新社Amazon 本作を読む前の、事前知識による印象は「日本文学史に名をのこす話題作」といったところだろうか。 1980年頃の裕福な日本の若者の生活や文化を描いた小説。 非常に大量な注釈によ…

アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術 / Tak.

アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術~作者:Tak.技術評論社Amazon アウトライナーとの出会い 今までのアウトライナーとの付き合い方 アウトライナーを使うメリット デジタルが手軽にしてくれたツー…

恥知らずのパープルヘイズ / 上遠野浩平

恥知らずのパープルヘイズ―ジョジョの奇妙な冒険より― (ジャンプジェイブックスDIGITAL)作者:上遠野浩平,荒木飛呂彦集英社Amazon ジョジョファンとして存在は知っていたが、なんとなくスルーしていた本作。最近読書欲が高いのでこの機会に読んでみることに。…

道化師の蝶 / 円城塔

なんとなく苦手意識があった円城塔の小説に挑戦。 なかなかに難解な小説であった。おそらく難解という前評判が耳に入っていたから苦手意識があったんだろう。 わかったことやわからなかったことを書いていく。 まず全体を要約してみる。多分本作未読の人が読…

アメリカ 村上春樹と江藤淳の帰還 / 坪内祐三

アメリカ 村上春樹と江藤淳作者:坪内 祐三扶桑社Amazon サブタイトルの「村上春樹」に心を引かれてたまたま手に取った本。開いたら『ライ麦畑でつかまえて』の話をしており、ちょうど自分が『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んだばかりで、『ライ麦畑』につい…

未知との遭遇 / 佐々木敦

未知との遭遇【完全版】 (星海社新書)作者:佐々木 敦星海社Amazon 最近、読みたい本が見つからない。読むべき本がわからない。いや、本当は常に本に迷い続けている。いつも行き当たりばったりだ。 じゃあいろんな本の末尾にリストアップされている「参考文献…

赤頭巾ちゃん気をつけて / 庄司薫

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)作者:庄司 薫新潮社Amazon 佐々木敦による、日本文学史を解説する本『ニッポンの文学』を当面のブックガイドとして読書していこうと思いついた。rhbiyori.hatenablog.jp その中で最初に解説されるのが村上春樹であり、その…

方舟さくら丸 / 安部公房

方舟さくら丸 (新潮文庫)作者:公房, 安部新潮社Amazon 安部公房の小説。第一印象だけで言うならば、やや読むのが苦痛な小説ではあった。あまり必要性の無い冗長なシーンが多かったように感じた。 しかし最後まで読み通すことで、相応の深みや重みを感じた。…

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 / 読書猿

独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法作者:読書猿ダイヤモンド社Amazon 勉強をしたいな、という風潮が自分の中で高まっている。全然関係ないけど昔ネットミームで「大仏建立の機運が高まっている」っていうのが流行ったなぁ…

モナドの領域 / 筒井康隆

モナドの領域(新潮文庫)作者:筒井康隆新潮社Amazon佐々木敦『筒井康隆入門』を読む →その中に登場した「パラフィクション」の概念に興味を持ち、『あなたは今、この文章を読んでいる』を読む →筒井康隆がパラフィクションの実践(?)として書いた本書『モ…

国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか? / 渡辺範明

国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか作者:渡辺範明イースト・プレスAmazon 『ドラゴンクエスト(ドラクエ)』と『ファイナルファンタジー(FF)』。2つのRPGシリーズの歴史を振り返りながら、その物語表現の進化を辿る本。 著者の渡辺範明氏…

幽霊たち / ポール・オースター

幽霊たち(新潮文庫)作者:ポール・オースター新潮社Amazon ポール・オースターの、「ニューヨーク三部作」と呼ばれる初期作品の2作目。柴田元幸訳。 舞台はニューヨーク。主人公の探偵「ブルー」は、「ホワイト」という人物から、ある男の尾行を依頼される…

散華 / 太宰治

万年筆で字を書く、という趣味を久々にやりたくなり、インクとノートを買った。 さてどんなことを書こう。日記を書くのはブログでやってるし。 そこで何かの小説を書き写してみることにした。 昔、「小説家になりたい人は名文を書き写せ」みたいなことを書い…

考えるヒント / 小林秀雄

考えるヒント作者:小林 秀雄文藝春秋Amazon 評論家、小林秀雄によるエッセイ集。 本書との出会いは、確か高校生くらいの頃。家族の本棚に入っていたのを開いてみた記憶がある。 でも、紙面が真っ黒で(=漢字が多すぎて)全く読む気がしなかった。 それから…

一億三千万人のための『論語』教室 / 高橋源一郎

一億三千万人のための『論語』教室 (河出新書)作者:高橋源一郎河出書房新社Amazon 論語についての事前知識は、中国の昔の文章、という程度だった。孔子が関わっているかどうかもあやふやだった。 孔子といえば、中国の昔の思想家として、孟子とか荘子とか老…

ぼくらの戦争なんだぜ / 高橋源一郎

ぼくらの戦争なんだぜ (朝日新書)作者:高橋源一郎朝日新聞出版Amazon 戦争(主に第二次世界大戦)について書かれた詩や小説、教科書などを読みながら、戦争について考える本。 第一章「戦争の教科書」。日本の現代の教科書と第二次大戦中の教科書、近年のド…

世界でいちばん透き通った物語 / 杉井光

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)作者:杉井 光新潮社Amazon どうやら話題になってるらしい、と前々から気になっており、たまには話題の本も読んでみるか、という気が起こったので手に取った。 核心的なネタバレはしないが、周辺的なネタバ…

あなたは今、この文章を読んでいる。 パラフィクションの誕生 / 佐々木敦

あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生作者:佐々木 敦慶應義塾大学出版会Amazon わたしは今、この文章を書いている。 この文章を書いている今の自分の状況を、言葉で表すなら、そうなる。 でも、書き終わった瞬間にその文章は過去にな…

笑犬楼VS.偽伯爵 / 筒井康隆 蓮實重彦

笑犬楼vs.偽伯爵作者:筒井康隆,蓮實重彦新潮社Amazon 主に筒井康隆の近著という理由で手に取った。 蓮實重彦のことはあまりよく知らなかった。 どちらかというと、堅苦しい文章で小難しいことを言うめんどくさそうな年長の批評家、というイメージだった。 自…

筒井康隆入門 / 佐々木敦

筒井康隆を読まなければなぁ、という気持ちが常にある。 なぜかといえばもちろん筒井康隆はスゴイからである。 どの小説を読んでも面白い。『虚人たち』のような実験的な作品。『文学部唯野教授』のように文学理論を解説する作品。はたまた『時をかける少女…

ガラスの街 / ポール・オースター

ガラスの街(新潮文庫)作者:ポール・オースター新潮社Amazon ポール・オースターの小説は結構前に『ティンブクトゥ』を読んだことがある。今回が2作目。rhbiyori.hatenablog.jp 柴田元幸といえばポール・オースター。そしてポール・オースターと言えばまず…

マンガ『ベルセルク』を再読 最終回予想など

ベルセルク 42 (ヤングアニマルコミックス)作者:三浦建太郎,スタジオ我画,森恒二(監修)白泉社Amazon マンガ『ベルセルク』が無料公開されていたので再読。途中からは手持ちの本や電子書籍で。younganimal.com 昔読んだ時は、ガッツのヒーロー的な活躍にば…

名著の話 / 伊集院光

名著の話 僕とカフカのひきこもり (角川学芸出版単行本)作者:伊集院 光KADOKAWAAmazon NHKの番組『100分de名著』で取り上げた本と、番組でその本を紹介した専門家を再び呼び、レギュラー出演者である伊集院光との対談を収めた本。 伊集院光は、あえてその本…

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 近現代作家集 Ⅲ

近現代作家集 III ((池澤夏樹=個人編集 日本文学全集28))河出書房新社Amazon 読みたくない本を読みたい、と思った。 あるいは、読みたい本を探して読む、という行為に限界を感じた、と言うべきか。 とにかく、自分自身では選ばないような本を読みたい気分に…

村上春樹の100曲 / 編著 栗原裕一郎

村上春樹の100曲 (立東舎)作者:栗原 裕一郎,藤井 勉,大和田 俊之,鈴木 淳史,大谷 能生立東舎Amazon 村上春樹の小説作品に登場する楽曲の中から100曲をピックアップ。楽曲の背景、小説上での用いられ方、そしてその含意・ニュアンスを解説した本。 巻末に、全…

『HUNTER×HUNTER』暗黒大陸編を読み返した 「数を多くすること」への挑戦

HUNTER×HUNTER モノクロ版 37 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:冨樫義博集英社Amazon なにかお金を使わず自分の好きなことだけをして時間を潰したい、と考えた結果、『HUNTER×HUNTER』暗黒大陸編を読み返すことにした。現在37巻までコミックス刊行中。 一般…

文体練習 / レーモン・クノー 著 朝比奈弘治 訳

文体練習作者:レーモン・クノー朝日出版社Amazon とあるごく些末なエピソードを、手を変え品を変え、多種多様な99パターンの文体で書いた本。そういう本がある、ということは昔から知っていたが、手に取るのは初めて。 はっきりいって最初は読みにくかった。…