rhの読書録

読んだ本の感想など

2014-01-01から1年間の記事一覧

中庸を知らないアメリカンスポーツの世界(アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 / 町山智浩)

町山智浩。危険な男である。 なぜ危険なのかというと、話すことも書くものもどれもが面白過ぎるからである。 TBSラジオ『たまむすび』には毎週火曜に町山智浩の映画紹介コーナーがある。毎週Podcastで聞いているのだが、これがもうむちゃくちゃに面白い。 ど…

はみ出した先にあるもの(101年目の孤独 希望の場所を求めて / 高橋源一郎)

101年目の孤独――希望の場所を求めて作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/12/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 小説家・高橋源一郎が、ダウン症の子どものアトリエや、身体障害者の劇団や、子どものホスピスなどを訪…

あらゆる小説愛好家に。(創作の極意と掟 / 筒井康隆)

筒井康隆の小説は、正直言ってそれほど多くは読んでいない。『文学部唯野教授』はすごく面白く読んだ。『虚人たち』は、読んだ当時はちんぷんかんぷんだったけど、後々になってどういう意図で書かれたのかを知って納得した。あとは初期の短編をいくつか読ん…

せっかち伯爵と時間どろぼう / 久米田康治

久米田康治の『せっかち伯爵と時間どろぼう』第一巻を読む。 作品のテイストとしては前作『さよなら絶望先生』に近いが、下ネタ(乳首券発行とか)が多めだったり、ストーリー展開がキチンとしていたりと、変化をつくろうという意欲が感じられる。 特に感じ…

小説のような紀行文(遠い太鼓 / 村上春樹)

読み始める前は、『遠い太鼓』というタイトルの旅行記、というので、なんとなーくアウトドアーな内容なのかな、と思い込んでいたが、そうでもなかった。普通に現地のホテルに泊まったりアパートを借りたりしている。 主に滞在しているのはギリシャとイタリア…

テレビ業界のどぶさらえ(テレビ標本箱&テレビ救急箱 / 小田嶋隆)

小田嶋隆の文章って面白いな、と思い、図書館で「著・小田嶋隆」の本を三冊借りてきた。その内の二冊が、『テレビ標本箱』と『テレビ救急箱』。いずれも雑誌『読売ウィークリー』に連載されていた、テレビに関するコラムをまとめたもの。テレビ標本箱 (中公…

国を超えた、ことばの愛(いつかソウル・トレインに乗る日まで / 高橋源一郎)

いつかソウル・トレインに乗る日まで作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/11/05メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (33件) を見る 恋愛小説である。どう見ても恋愛小説である。でも、高橋源一郎が書いただけあって、やは…

トークイベント『小田嶋隆×高橋源一郎 トークに万歳!』に行ってきた

小田嶋隆。高橋源一郎。この二人によるトークイベントがあるということをTwitter経由で知り、思わず最速でチケットを購入してしまった。出不精で人見知りの僕が。 日にちは1月12日(日)。つまり昨日。会場は青山ブックセンター本店。青山通りの国連大学の後…

批評にまつわるいろいろな話(僕が批評家になったわけ / 加藤典洋)

僕が批評家になったわけ (ことばのために)作者: 加藤典洋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/05/21メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (27件) を見る タイトルはこうだけれども、筆者の考える、批評、ことば、批評にまつわるいろいろ…