- 作者: 斎藤環
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/02/08
- メディア: 文庫
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あの『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦が、精神科医・批評家である斎藤環の著書『生き延びるためのラカン』の文庫化に際して、表紙絵を担当することがわかった。
お、ちょっとニュースサイトっぽい書き出し?まぁここはブログなので好きな様に書く。
『生き延びるためのラカン』は僕も読んだことがある。ひとことで言うと、「世界一やさしいラカン解説書」だ。中学生でも読めることを標榜しているだけあって、平易な語り口で書かれており、複雑な専門用語やレトリックは一切登場しない。
じゃあ誰でも簡単にラカンを理解できるかというと、そうは問屋が卸さない、というかそうはラカンが卸さない。まぁ僕のオツムが残念なせいかもしれないが。
まずラカン理論の基本は、現実界・象徴界・想像界の三界にある(と思う)。
三界、と言っても、ファンタジーにありがちな天界・魔界・現実界みたいに、世界が三つに別れているという意味ではもちろんない。全ての言葉には三つの界における機能、というか作用、みたいなものがあって、我々が物事を認識したりする際に、その三つの作用が複合的に影響してくる、みたいな感じでだいたいあってると思う。
と、こんな風に、手元に本書を置いていてさえこんな感じ。果たして僕がラカンを理解できる日は来るのだろうか?
しかし、理解・不理解(非理解?未理解?)は別にして、本書は読み物としても面白い。精神分析は、言葉や心を巡る「奇妙な冒険」の歴史である、とでも言えばいいだろうか。ジョジョ好きにもきっとおすすめできる一冊である。それにしても、今にもスタンドを出しそうなラカンである。