読書感想
ドゥルーズの哲学原理 (講談社学術文庫)作者:國分功一郎講談社Amazon ドゥルーズの哲学とはどのようなものか。 わからない。全然わからない。 いや、そもそもある哲学者の哲学を「わかった」と思えたことなんて一度もない。それは、哲学について「わかる」と…
水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-17)作者:レイモンド・チャンドラー早川書房Amazon チャンドラーによる「フィリップ・マーロウもの」の長編を村上春樹の翻訳で発表順に読んでいる。これで4作目。 本作のマーロウはいかにも探偵小説の主人…
高い窓 フィリップ・マーロウ〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:レイモンド チャンドラー早川書房Amazon チャンドラーの「マーロウもの」の長編を発表順に全部読もうと決め、『大いなる眠り』を先日読み、次の『さよなら、愛しい人』は既読だったので…
『百年の孤独』を代わりに読む (ハヤカワ文庫NF)作者:友田 とん早川書房Amazon 『百年の孤独』を自分で読んだので、『『百年の孤独』を代わりに読む』も自分で読んでみることにした。 しかしはたして「代わりに読む」とはどういうことか。一応まえがきで説明…
どくとるマンボウ航海記(新潮文庫)作者:北杜夫新潮社Amazon いまから約60年前に発行されたが、かなりのベストセラーだったらしく、ある世代より上の物書きの多くが本書を愛読していたと語っている。というか自分が子どもの時でさえ「小学生推薦図書」的な…
百年の孤独 (新潮文庫 カ 24-2)作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス新潮社Amazon これほど大柄な小説に対して、どうやって感想なんて書けばええねん、と若干キレ気味である。いや、本を読んだら感想を書く、と決めているのは、まぎれもない自分自身なのだけ…
大いなる眠り フィリップ・マーロウ〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:レイモンド チャンドラー早川書房Amazon レイモンド・チャンドラーが書いた、フィリップ・マーロウが主役の長編シリーズ第一作。今回読んだのは、チャンドラーからの強い影響を公…
小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)作者:志賀 直哉新潮社Amazon 今まで志賀直哉が書いたものを読んだことがなかった。なんだか暗い私小説を書いている人というイメージがあったので。 本書を読んでそのイメージが改まったのか。志賀直哉を好きになったのか。…
物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために (講談社現代新書)作者:難波優輝講談社Amazon あらゆるところで「物語」がもてはやされている。私はそれが不愉快である。物語を愛しているがゆえに。[『物語化批判の哲学』] なぜ就職活動で「自分語り」…
「書くこと」の哲学 ことばの再履修 (講談社現代新書)作者:佐々木敦講談社Amazon どんなことを書いてもいい。どんなやりかたで書いてもいい。そんなメッセージが本書全体からうかがえる。 「そんなこと言われても、どんな風に書いたらいいかわからないよ」と…
ゲーム作家 小島秀夫論: エスピオナージ・オペラ作者:藤田 直哉作品社Amazon 小島秀夫が作るゲームが好きだ。 家族がプレイするゲームを見ることが多かった頃。メタルギアソリッド(MGS)1と2を見て「なんだか大人のゲームだな」と思った。自分でプレイする…
人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)作者:千野帽子筑摩書房Amazon 色々な書き手たちが推薦図書に挙げていた本。長らく気になっていたのをようやく読むことができた。 人は物語の中を生きている。生きずにはいられない。自分や他人の人生を物語化…
チャンドラー講義作者:諏訪部浩一講談社Amazon 雑誌「群像」での連載を何度か読んで、読みたいと思っていた本。 自分がレイモンド・チャンドラーを知ったのはいつだろう。おそらく時系列的には『名探偵コナン』の単行本カバー折り返し部分に毎巻書かれている…
誰でも簡単! 世界一の4:6メソッドでハマる 美味しいコーヒー 自由時間サプリ作者:粕谷 哲技術評論社Amazon 去年くらいから、コーヒー豆をミルで挽いてペーパードリップで飲むようになった。というとめっちゃコーヒーにこだわりがある人みたいだけど、別に…
苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室作者:読書猿NHK出版Amazon 読書家として、ブログや学習法にまつわる本を執筆してきた「読書猿」氏による、「本との付き合いかた」「本との出会い方」ついての本。 readingmonkey.blog.fc2.com 同じ著者による、…
手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)作者:國分功一郎新潮社Amazon 哲学の本。ではあるけれど、決して難解ではない。難しい話も、何度も違う言い方で噛み砕いて説明してくれている。 第1章が論文で、第2章がその論文を元に構成された講話を採録した…
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)作者:ウィリアム ギブスン早川書房Amazon 「サイバーパンク」というSFジャンルの最初期の名作。映画『マトリックス』(観た)やアニメ『攻殻機動隊』(未見)、最近ではゲーム『サイバーパンク2077』(プレイ動画をちょっ…
外套・鼻 (岩波文庫 赤 605-3)作者:ゴーゴリ岩波書店Amazon ゴーゴリ、と聞くと何を思い浮かべるだろう。正直に言うと自分は、絵本作家の「エドワード・ゴーリー」とやや「ごっちゃ」になっていた。そちらは20世紀アメリカの絵本作家、対してゴーゴリは19世…
本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)作者:村上 春樹,柴田 元幸新潮社Amazon 村上春樹と柴田元幸の両名による、小説の翻訳にまつわる対談を主としてまとめた本。ちなみに過去には同様の対談本として『翻訳夜話』シリーズが出ている。翻訳夜話 (文春新書…
センスの哲学 (文春e-book)作者:千葉 雅也文藝春秋Amazon 「センスがいい」というのは、ちょっとドキッとする言い方だと思うんです。なにか自分の体質を言われてるみたいな、努力ではどうにもできないという感じがしないでしょうか。(千葉雅也『センスの哲…
思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた作者:ネモ(根本直樹)日経BPAmazon 格闘ゲーム好きで読書好きな自分としては、プロ格闘ゲーマーが書いた本を見かけると反射的に手にとって読んでしまう。これまでもウメハラ選手やときど選手の本を読んできた…
アップダイクと私 ---アップダイク・エッセイ傑作選作者:ジョン・アップダイク河出書房新社Amazon アップダイクって、名前は知ってるけど読んだことないな、と思って開いてみたら、「女体」というエッセイがメチャよかったので、読み始めた。 女性の身体は、…
イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか (シリーズケアをひらく)作者:斎藤 環医学書院Amazon 「オープンダイアローグ」という精神療法について書かれた本。 オープンダイアローグとは、精神疾患を発症した患者の元に、医療スタッフ、患者の関係…
きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする作者:ジャミル・ジャン・コチャイ河出書房新社Amazon タイトルに「メタルギア」という文字列が。これは読むしかない。と思って軽々しく手に取ったが、読むのにえらく苦労した。 著者はアフガニスタン…
みどりいせき (集英社文芸単行本)作者:大田ステファニー歓人集英社Amazon かつて、お笑い芸人のケンドーコバヤシ氏が、大阪から上京しようとしている後輩芸人に対してよく使う「くだり」があった。 「東京に来てもいいもんなんてない。東京にあるのはたった3…
隻眼の少女作者:麻耶 雄嵩文藝春秋Amazon 本書のことは、文庫版が本屋に並び始めた十数年前から気になっていた。 なぜか。カバー写真の女の子が可愛かったからである。純粋に、100%、それだけの理由で、本書の存在を個別認識していた。 しかし本作はミステ…
僕にはわからない (講談社文庫 な 41-17)作者:中島 らも講談社Amazon 「天文学によると、宇宙は膨張しているらしいが、その外側がどうなっているのか知りたい」という新聞の投書を読んで、著者は気づく。 偉い学者に「宇宙は膨張している」と言われれば、な…
家族八景(新潮文庫) 七瀬シリーズ作者:筒井康隆新潮社Amazon 筒井康隆の小説は、読むとシンプルに心がしんどくなることがあり、本書『家族八景』も、2章にあたる「澱の呪縛」を読んだところで一度読むのをストップしていた。読んだ人なら「ああ、アレね」…
俺の文章修行 (幻冬舎単行本)作者:町田康幻冬舎Amazon 自分はかつて、町田康の文章を読むことで「開眼」したところがある人間である。読んだり書いたりすることって面白くていいんだ、こんなに自由に、やりたいように書いていいんだ、考えたいように考えてい…