rhの読書録

読んだ本の感想など

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 / ちきりん

 ちきりん。前々からスゴイな、と思っていたが、本書を読んで、やっぱりスゴイな、と認識を新たにした。

 なにがスゴイかって、まず文章が上手い。シンプルにして的を得ている。上手すぎて、一読しただけではその上手さに気づけないほど上手い。

 大体、名前が「ちきりん」で文末が「そんじゃーね」というセンスからしてスゴイ。ずば抜けている。というかゆるい。いくらなんでもゆるすぎる。ブログタイトルも「Chikirinの日記」。シンプルすぎる。*1

 なぜゆるいかといえば、それはもちろん言ってることが過激だからで、それを上手く紛らわすため、カモフラージュするために、あえてゆるいキャラを演じているのだろう。「貧乏人は一生貧乏人のままだ」とか「消費税増税歓迎」だとか、普通なら炎上しかねない案件である。

 ゆるキャラを演じるもう一つの理由は、自身のエリート性を糊塗するため。証券会社で働き、アメリカの大学院に留学し、外資系企業に勤務という輝かしい経歴を持つ人物が、本名で「目標は低く持ちましょう」みたいなことを書いていたとしても、誰も真に受けないのは確定的に明らか。

 発言は結構過激(というかリベラルって言うのか?こういうの)、演じているのはゆるキャラ、しかしその演じっぷりはかなりえげつない、という、人物だけを見ていると、なんだかちぐはぐだなぁ、と思ってしまう。

 しかし、その発言内容をよくよく見てみると、結構鋭いというか、普通の人があまり指摘しないポイントをサラッと指摘している。さすが海外経験豊富なエリートである。

 ちきりんの生きかたをマネしようとするのは、おそらくやめた方がいいだろうが、他人と違っていてしかも面白い意見を言える、というのは、希有な才能だと思う。はてブのコメントを表示しなくなったからと言ってチェックしないのは、ちょっともったいないのではないだろうか。

 かくいう自分は、なぜかウメハラにすり寄り出した頃だけはチェックしていたが、それ以外では、はてブの人気記事に上がってきた記事くらいしか読んでいなかった。最近は人気記事に上がってくることも少なくなっている印象。そろそろちきりんに替わる新しいキャラで売り出したほうがいいんじゃないか、などと余計な心配をしてしまう今日この頃。パッション屋良→ダーク屋良に倣って、「ダークちきりん」とかどうでしょう。僕は好きだったんだけど、ダーク屋良。

*1:ついでに言うと、ブログデザインも最近まではてなのテンプレートをほぼそのまま使っていたようである。最近になって色だけ真っ白に変えてみたいだが。