rhの読書録

読んだ本の感想など

ポプテピピック / 大川ぶくぶ

ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)

ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)

 去年あたりからTwitter上でちょくちょく見かけるマンガだったのだが、最近になってじっくり読んでみたところすっかり魅了されてしまった。

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 ギャグ四コマである。しかもかなり破壊的な芸風のギャグ漫画である。かつてダウンタウンの松本人志がお笑い芸人ハリウッドザコシショウを評して「ひとりの人間の中にものすごく面白い部分とものすごくつまらない部分が同居している」というようなことを言っていたが、同じような感想をこのマンガに対して抱いた。

 パロディ有り、(不条理な、あるいは没論理的なという意味での)シュール有り、(全然面白くないことを堂々とやっていることが面白い、という意味での)ナンセンス有り、ブラックユーモア有りと、ギャグ漫画のあらゆるパターンを惜しげも無く用いているにも関わらず、読んだ者に否応なく脱力感を抱かせる作風は、常套句ではあるが「センスがある」としか言いようがない。

 そもそも主役の二人がセーラー服を着ていること自体がいわゆる「日常系マンガ・アニメ」のパロディ。背の低い方のポプ子はヤンキーの如き「キレ芸」の持ち主であり、背の高い方のピピ美はなぜかアゴがない。普段はデフォルメタッチなのだが、手がアップで描かれるときはなぜか妙にリアル。このように、いちいちツッコミどころしかない。

 作者は他にも複数のWeb漫画を連載しているが、自分はこの作品が圧倒的に好きだ。設定に変なヒネリが無いのと、絵柄とセリフがポップアート的にキャッチーなのがポイントかもしれない。LINEスタンプが売れるのも納得である。

 それと、こんな作風でありながらポプ子とピピ美のキャラが立っていて、(多分に荒唐無稽ではあるが)「萌え」的な二人の関係性がしばしば描かれるのも人気の秘密だと思う。

 一旦は連載終了してしまったが、竹書房(おそらく僕はこの漫画のおかげで「竹書房」という名前を一生忘れないだろう)の温情?によりセカンドシーズンが現在連載中。一巻の単行本には大人の事情で収録されない話があったりしたので、ぜひリアルタイムでチェックしよう。

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