rhの読書録

とあるブログ書きの読書記録。

読書メモ

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」 / 横田増生

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」 (朝日文庫)作者: 横田増生出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/06/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る ナンシー関の文章は面白い。テレビ番組やタレントについてのコラムがほとんどだが、…

うずまき猫のみつけかた—村上朝日堂ジャーナル / 村上春樹

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1999/03/02メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 72回この商品を含むブログ (44件) を見る ここに収められた文章は、僕が一九九四年春から九五年秋にか…

別の仕方で ツイッター哲学 / 千葉雅也

哲学者が、Twitter上でしたツイートを、再編集・再構成した本、である。別のしかたで:ツイッター哲学作者: 千葉雅也出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/07/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る この時点で(一定以上に本を読む人間…

ぐっとくる題名 / ブルボン小林

ブログを書く上で、タイトルをつける、という作業は避けて通れない。 いや、本当は避けて通ることも出来なくはないんだけれども、大抵のブログサービスはタイトルを付けないと投稿することが出来ないわけで、仮にタイトルをつける作業から逃れるために「;あ…

なぜ人はゲームにハマるのか 開発現場から得た「ゲーム性」の本質 / 渡部修司・中村彰憲

なぜ人はゲームにハマるのか。 深遠な問いである。人生の最重要テーゼと言ってもいいかもしれない。あるいはこう言い換えたほうがより重要度が増すだろう。 なぜオレはゲームにハマるのか、と。以上、ボンクラゲーマーのつぶやき。なぜ人はゲームにハマるの…

もし僕らのことばがウィスキーであったなら / 村上春樹

どのような旅にも、多かれ少なかれ、それぞれの中心テーマのようなものがある。四国に行ったときは死ぬつもりで毎日うどんを食べたし、新潟ではまっ昼間からきりっとした彫りの深い清酒を存分に味わった。できるだけ数多くの羊を見ることを目的として北海道…

還暦からの電脳事始 / 高橋源一郎

iPad欲しい。 iPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲しいiPad欲…

頑張って生きるのが嫌な人のための本 / 海猫沢めろん

死にたいと思ったことは、正直に言って無い。このまま煙のように消え去ってしまいたい、と思ったことなら何度もあるが。 死ぬことと、消え去ることの違いがなんなのかとちょっと考えてみる。 死ぬということは、現実の、肉体の、物質的な出来事である。仏教…

銀河鉄道の彼方に / 高橋源一郎

銀河鉄道の彼方に作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/06/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (35件) を見る 高橋源一郎による「銀河鉄道の夜」へのオマージュ。あるいは二次創作、とでも呼ぶべきだろうか。 タイトルからわかる通り、…

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない / ときど

東大出身にして、日本で二人目のプロ格闘ゲーマーである「ときど」氏による著書。東大卒プロゲーマー (PHP新書)作者: ときど出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2014/07/16メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る 格闘ゲームファンであり読書好き…

のはなしし / 伊集院光

あっさりしていて笑える本を読みたいな、と思って本屋に行ったら目に留まった『のはなしし』。この本が発売していたこと自体はTwitter経由で知っていたのだが、店頭に並んでいるのを見て初めて今の自分の読書欲にピッタリフィットしていることに思い至り、購…

娘と話す 非暴力ってなに? / ジャック・セムラン

娘と話す 非暴力ってなに?作者: ジャックセムラン,Jacques S´emelin,山本淑子出版社/メーカー: 現代企画室発売日: 2002/07/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る 図書館でたまたまこの本を手に取ったら、解説を書いているのが…

「こころ」は嫉妬の教科書である(こころ / 夏目漱石)

夏目漱石の「こころ」を再読。これで四、五回は読んでいると思うのだが、やはり面白い。なぜ面白いのだろうか。こころ (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/03メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 370回この商品を含むブログ (435…

増補 エロマンガ・スタディーズ: 「快楽装置」としての漫画入門 / 永山薫

増補 エロマンガ・スタディーズ: 「快楽装置」としての漫画入門 (ちくま文庫)作者: 永山薫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/04/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る 本書『エロマンガスタディーズ』には、「ミーム」という単語が頻出…

文章読本さん江 / 斎藤美奈子

文章読本さん江 (ちくま文庫)作者: 斎藤美奈子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/12/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 45回この商品を含むブログ (33件) を見る 文章読本とは、よーするに文章の教科書のことである。 しかし、谷崎潤一郎というエラ…

バーナード嬢曰く。 / 施川ユウキ

近所の本屋で表紙を前にして陳列されていた(そーいうのを面陳列というらしい)マンガ、『バーナード嬢曰く』。面白そうだったので買って読んだら、期待以上に面白かった。表紙買い大成功である。 帯文によると"読書家あるある"をネタにしたマンガ、とのこと…

勝負論 ウメハラの流儀 / 梅原大吾

勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)作者: 梅原大吾出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/10/01メディア: 新書この商品を含むブログ (11件) を見る 前著『勝ち続ける意志力』が「プロゲーマー・梅原大吾はどのようにして生まれたか?」という本だったのに対…

死者の奢り・飼育 / 大江健三郎

死者の奢り・飼育 (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1959/09/29メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 227回この商品を含むブログ (106件) を見る 初読。この時代に、大江健三郎を初読するって、なんか色々アレだな、と思った。アレと…

【読書メモ】養老孟司の大言論II 嫌いなことから、人は学ぶ / 養老孟司

養老孟司の大言論II 嫌いなことから、人は学ぶ (新潮文庫)作者: 養老孟司出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/02/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 巻末にある内田樹との対談に釣られて買った本。 養老孟司の本は読むのはほぼ初めて。確…

街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか / 内田樹 編

安倍政権の支持率が高いのはなぜなのだろう。景気がよくなっている(気がする)おかげだ、というような説明がなされることもあるが、それだけではない気がする。 多くの国民が、「強い日本」を求めている。そして、その「強い国」のビジョンを実際に提示して…

僕が愛したMEMEたち / 小島秀夫

『メタルギアソリッド』シリーズ。今、日本が世界に誇れるゲームシリーズの一つである。 そしてそのメタルギアソリッドの捜索指揮を執る「小島監督」こと小島秀夫が、これまでにどのような本や映画などを愛好してきたかを自ら語るのが、本書『僕が愛したMEME…

心が雨漏りする日には / 中島らも

中島らもという人をどう考えるべきか。正直に言ってまだよくわからない。 ジャンキーで、アル中で、そして類まれな名文家。それが現時点における自分にとっての中島らも像である。 クスリでラリる。酒に溺れる。それは自分自身を破壊することに他ならない。…

ゲームを通じて人間が見える(ゲームホニャララ / ブルボン小林)

芥川賞作家がゲームに関するコラムを書いている、と知り、さっそく読んでみた。それがこの『ゲームホニャララ』。著者のブルボン小林は長嶋有のペンネームである。ゲームホニャララ作者: ブルボン小林出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2009/09/12メ…

ネットのレビューだけでは味わえないマンガの魅力(マンガホニャララ / ブルボン小林) 

マンガホニャララ (文春文庫)作者: ブルボン小林出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る ブルボン小林によるマンガにまつわるコラム。コラム一本につき、取り上げているマンガのコマが二、三個載って…

中庸を知らないアメリカンスポーツの世界(アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 / 町山智浩)

町山智浩。危険な男である。 なぜ危険なのかというと、話すことも書くものもどれもが面白過ぎるからである。 TBSラジオ『たまむすび』には毎週火曜に町山智浩の映画紹介コーナーがある。毎週Podcastで聞いているのだが、これがもうむちゃくちゃに面白い。 ど…

はみ出した先にあるもの(101年目の孤独 希望の場所を求めて / 高橋源一郎)

101年目の孤独――希望の場所を求めて作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/12/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 小説家・高橋源一郎が、ダウン症の子どものアトリエや、身体障害者の劇団や、子どものホスピスなどを訪…

あらゆる小説愛好家に。(創作の極意と掟 / 筒井康隆)

筒井康隆の小説は、正直言ってそれほど多くは読んでいない。『文学部唯野教授』はすごく面白く読んだ。『虚人たち』は、読んだ当時はちんぷんかんぷんだったけど、後々になってどういう意図で書かれたのかを知って納得した。あとは初期の短編をいくつか読ん…

せっかち伯爵と時間どろぼう / 久米田康治

久米田康治の『せっかち伯爵と時間どろぼう』第一巻を読む。 作品のテイストとしては前作『さよなら絶望先生』に近いが、下ネタ(乳首券発行とか)が多めだったり、ストーリー展開がキチンとしていたりと、変化をつくろうという意欲が感じられる。 特に感じ…

小説のような紀行文(遠い太鼓 / 村上春樹)

読み始める前は、『遠い太鼓』というタイトルの旅行記、というので、なんとなーくアウトドアーな内容なのかな、と思い込んでいたが、そうでもなかった。普通に現地のホテルに泊まったりアパートを借りたりしている。 主に滞在しているのはギリシャとイタリア…

テレビ業界のどぶさらえ(テレビ標本箱&テレビ救急箱 / 小田嶋隆)

小田嶋隆の文章って面白いな、と思い、図書館で「著・小田嶋隆」の本を三冊借りてきた。その内の二冊が、『テレビ標本箱』と『テレビ救急箱』。いずれも雑誌『読売ウィークリー』に連載されていた、テレビに関するコラムをまとめたもの。テレビ標本箱 (中公…